Keeley Tube Drive Twin Triode:創業25周年を記念した本格真空管デュアルオーバードライブ

Keeley Electronics Keeley Tube Drive Twin Triode Dual Overdrive
naoto

こんにちは、Music Gear Japan 副編集長のNAOTOです。今回は、Keeley Electronicsが2026年9月に発表した「Tube Drive Twin Triode Dual Overdrive」をご紹介します。

同社初の本格的な真空管ペダルであり、創業25周年を記念する重要な製品です。168Vで駆動する12AX7真空管とPhat Modドライブを組み合わせた2チャンネル構成により、ウォームなチューブグリットから厚みのあるスタックドドライブまで、幅広いサウンドメイクが可能になります。

Robert Keeleyが既存ペダルの改造から始めた同社が、25年の歩みの中で到達した真空管テクノロジーの結晶とも言える一台です。

Sponsored Link

Keeley Electronicsと真空管ペダルの系譜

Keeley Electronicsは2001年にRobert Keeleyによってオクラホマシティで創設されました。Keeleyは電気工学の家系に生まれ、1990年代後半からBoss Blues DriverやRoss Compressorといった既存ペダルを改造することから音響機器の道を歩み始めています。その改造技術と音響設計の知見が、やがて同社の礎となっていきました。

同社の代表作として知られるのが「Phat Mod」です。もともとはBoss BD-2に施された改造が起源で、その後スタンドアロンペダルとしてリリースされました。Phat Modは厚みのあるアンプライクなオーバードライブサウンドで多くのギタリストに支持され、Keeley Electronicsの名を広める契機となりました。以来、同社は数多くのドライブペダルやコンプレッサー、モジュレーション系エフェクトを世に送り出し、オクラホマシティでの完全手作り製造というこだわりを貫いてきました。

しかし、真空管を搭載した本格的なペダルの開発には至っていませんでした。ギターペダル市場において真空管ペダルは限定的な存在であり、高電圧の駆動、ノイズ対策、耐久性といった課題が立ちはだかっていたからです。それでも、Keeleyが真空管の音響特性——ウォームさ、ナチュラルなコンプレッション、ギターボリュームの引き具合に応じた音色の変化——に惹かれ続けていたことは、同社の製品哲学からも伝わってきます。

2026年、Keeley Electronicsは創業25周年を迎えます。その記念として発表されたのが「Tube Drive Twin Triode Dual Overdrive」です。このペダルは、同社が四半世紀かけて磨いてきたドライブ設計と、真空管テクノロジーへの挑戦を融合させた集大成と言えます。168Vという高電圧で駆動する12AX7真空管チャンネルと、Phat Modの遺伝子を受け継ぐドライブチャンネルを搭載し、両者を自由に組み合わせることで、ブルース、クラシックロック、ワーシップ、フュージョン、スタジオセッションワークなど、様々なコンテキストに対応する柔軟性を備えています。

真空管チャンネルとドライブチャンネルの構成

Tube Drive Twin Triodeの核となるのは、2つの独立したオーバードライブ回路です。ひとつは168Vで駆動する12AX7真空管チャンネル、もうひとつはKeeley Super Phat Modドライブチャンネルです。

真空管チャンネルに搭載される12AX7は、プレート電圧100V以上という本格的な駆動方式を採用しています。168Vという高電圧で駆動することで、真空管本来のウォームさ、ナチュラルなコンプレッション、ギターボリュームの引き具合に応じた音色の変化を実現します。公式の説明によれば、ギターボリュームを引いても音が痩せず、クリアで音楽的なトーンが得られるとのこと。ダイナミックに弾くとプリアンプのような圧縮感が生まれ、ノートが伸びる特性を持ちます。使用される12AX7は、カスタムチューブシールドに収納された焼き込み・テスト済みのKeeley ブランド製で、信頼性と音響特性の一貫性が確保されています。

Phat Modドライブチャンネルは、同社の代表作である「Phat Mod」の遺伝子を受け継ぐ設計です。厚みのあるアンプライクなオーバードライブで、パンチ、サスティン、ハーモニックデプスを提供します。真空管チャンネルと組み合わせることで、ウォームなチューブグリットをベースに、さらに厚みと圧力を加えたスタックドドライブが実現できます。

各チャンネルは完全に独立したコントロールを備えています。真空管チャンネルにはLevel、Gain、Toneが配置され、ドライブチャンネルにはLevel、Drive、Toneが配置されています。これにより、各チャンネルの音量、ゲイン、トーンキャラクターを個別に調整でき、セッティングの自由度が高まります。

フットスイッチは2つ搭載されており、各チャンネルのオン・オフを独立して制御できます。さらに重要な機能として、長押し(ロングプレス)により効果順序を切り替えることが可能です。真空管チャンネルからドライブチャンネルへ信号を流す順序(Tube→Drive)と、その逆順(Drive→Tube)を瞬時に切り替えられます。この順序の違いは、最終的なサウンドキャラクターに大きな影響を与えるため、セッティングの幅をさらに広げます。

バイパス方式も選択可能です。トゥルーバイパスとKeeley サイレントバッファードスイッチングの2つから選べます。トゥルーバイパスはペダルをオフにした際に信号経路から完全に外れ、ケーブルを直結した状態と同じになります。一方、サイレントバッファードスイッチングはKeeley独自の設計で、ペダルのオン・オフ時にポップノイズを発生させず、かつバッファを通すことで高インピーダンス環境での信号劣化を防ぎます。ギタリストのセットアップやケーブル長に応じて、最適な方式を選択できる配慮です。

接続仕様は標準的です。入力・出力は1/4インチモノラル端子で、ギターアンプやペダルボード内の他のエフェクトと接続します。電源は9V DCセンターネガティブで、500mAの電力が必要です。別売のパワーサプライを用意する必要があります。

注目すべき機能として、TRS遠隔入力が搭載されています。1/4インチTRS端子により、エクスターナルフットスイッチを接続することが可能です。Tipが真空管チャンネル、Ringがドライブチャンネルに割り当てられており、ペダルボード上の別の位置からチャンネルを制御できます。複数のペダルを同時にコントロールする必要があるセッティングや、ステージでの移動が多いセッションワークにおいて、操作性を大幅に向上させます。

サイズは約6.1 x 6.05 x 3.55インチ(約155 x 154 x 90mm)、重量は約1.5ポンド(約680g)です。ペダルボード上での設置スペースは限定的ながら、本格的な真空管駆動という機能を考えると、コンパクトな設計に仕上がっています。オクラホマシティでの完全手作り製造により、各ユニットの品質管理と信頼性が確保されています。

デモ動画

Introducing The Keeley Tube Drive – Twin Triode Dual Overdrive – 12AX7 – Over 100 Volts of Dynamics!(Keeley Electronics)

参考リンク

Xからの読者コメントをお待ちしています。
ブログ更新の励みになります!
Facebookでのコメントをお待ちしています。
ブログ更新の励みになります!
Sponsored Link
ABOUT ME
Music Gear Japan
Music Gear Japan
編集部
KAN
Music Gear Japanの編集長であり、サイト全体のコンテンツと方向性を監督しています。彼の情熱は、最新の音楽機材からクラシックな楽器まで、幅広い音楽の世界に広がっています。読者に対して深い洞察と実践的なアドバイスを提供することを目指しています。

NAOTO
副編集長のNAOTOは、音楽プロデューサーとしての経験を活かし、Music Gear Japanのコンテンツ制作をリードしています。彼は特にデジタル音楽機材と最新の音楽テクノロジーに精通しており、常に最先端の情報を提供することに力を入れています。読者に対して革新的で有益な情報を届けることです。
Sponsored Link (Multiplex)
記事URLをコピーしました