Fender Santa Ana Overdrive V2|18V駆動のタッチセンシティブなClass Aペダル
こんにちは、Music Gear Japan 副編集長のNAOTOです。今回は、Fenderが2026年に完全再設計した「Santa Ana Overdrive V2」をご紹介します。
内部18V駆動のJFETベースClass Aオーバードライブであり、タッチセンシティブな応答性と高いヘッドルームを備えた設計が特徴です。初代Santa Ana Overdriveは2018年の発表以来、Fenderのアンプ特性を再現するペダルとして評価されてきましたが、V2版では独立した3バンドEQ、デュアルボイス、柔軟なバイパスモードなど、機能面で大幅に進化しています。ペダルボード統合を前提とした設計と相まって、ロック、ブルース、インディーなど多様なジャンルで活躍する中級から上級ギタリストの関心を集めています。
Fenderのオーバードライブ設計哲学を刷新したV2版
Santa Ana Overdrive V2は、2018年に発表された初代モデルの完全な再設計版です。元のSanta Ana OverdriveはFenderのサウンドエキスパート、Stan Cotey氏によって設計されました。その設計思想の核にあったのは、ドライブさせたFenderチューブアンプのタッチセンシティブで高いヘッドルーム感を、コンパクトペダルの中で実現することでした。内部18V駆動のJFETベースClass A回路という基本的なアーキテクチャは、その思想を体現するものとして今も変わりません。
しかし8年の時を経て、Fenderはこのペダルを根本から作り直すことを決断しました。その背景には、ペダルボードの複雑化とユーザーの要求の多様化があります。初代モデルはシンプルな3コントロール設計でしたが、現代のギタリストはより細かいトーンシェイピングと、複数の音色を一つのペダルで管理したいというニーズを持つようになりました。V2版はそうした市場の声に応えるべく、機能面で大幅に強化されています。
最も顕著な改良は、独立した3バンドEQ(Bass、Middle、Treble)の搭載です。これらのEQセクションはドライブ回路の前後に配置を切り替え可能で、プリドライブEQとしてドライブ前の周波数特性を整えることも、ポストドライブEQとしてドライブ後の音色を調整することもできます。さらにリアパネルのTightスイッチでプリドライブの低域を削減し、より焦点を絞ったドライブ感を得ることも可能です。こうした柔軟性は、初代モデルには存在しなかった機能であり、V2がいかに拡張性を重視して再設計されたかを示しています。
スイッチング機能も大きく改善されました。V2ではトゥルーバイパスとバッファードバイパスを切り替え可能にし、さらにリレーベースのオートバイパス機能を搭載しました。マルチスイッチ対応フットスイッチではラッチング(タップ)とモーメンタリー(押し続け)の動作を選択でき、ライブパフォーマンスの中でペダルをより自由に操作できるようになっています。
ペダルボード対応の設計も、V2版で重視された点です。トップマウント式の入出力端子と堅牢なアルミニウム製筐体により、複数のペダルを並べて使う際の接続性と耐久性が向上しました。消費電流も220mAに抑えられており、一般的なペダルボード用パワーサプライとの相性も良好です。
デュアルボイス機能も、V2で新たに加わった要素です。Voice Aは自然でタイトなオーバードライブキャラクター、Voice Bはより厚みのあるスムーズなトーンとなっており、リズムプレイからリードプレイまで、一つのペダルで対応できる設計になっています。これにより、セットリストの中で異なるキャラクターのドライブが必要な場合でも、ペダルボード上のスペースを節約できます。
こうした改良は、Fenderが単なるマイナーチェンジではなく、ユーザーの実際の使用環境と要求を深く分析した上での再設計であることを物語っています。Stan Cotey氏の元の設計哲学を守りながらも、現代のペダルボード文化とジャンルの多様性に対応する、バランスの取れた進化がV2版の特徴といえるでしょう。
18V駆動とデュアルボイスで実現する多彩なドライブキャラクター
Santa Ana Overdrive V2の技術的な核は、内部18V駆動のJFETベースClass A回路にあります。この設計により、一般的な9V駆動ペダルよりも高いヘッドルームが確保され、ドライブさせたFenderチューブアンプのようなタッチセンシティブな応答性が実現されています。公式説明によれば、このアーキテクチャはギタリストの弾き方の微妙なニュアンスに反応し、ピッキングの強弱に応じて音が変化する、アンプライクな感覚を生み出すとされています。
ドライブキャラクターの多様性を担うのが、デュアルボイス機能です。Voice Aは自然でタイトなオーバードライブ特性を持ち、リズムプレイやアーティキュレートなコードワークに適しています。一方のVoice Bはより厚みのあるスムーズなキャラクターで、リードプレイと高ゲイン領域での使用を想定した設計になっています。
トーンシェイピングの柔軟性は、独立した3バンドEQ(Bass、Middle、Treble)とEQ Placement機能によってさらに広がります。このEQセクションはドライブ回路の前後に配置を切り替え可能で、プリドライブEQとしてドライブ前の周波数特性を整えることも、ポストドライブEQとしてドライブ後の音色を調整することもできます。リアパネルのTightスイッチはプリドライブの低域を削減し、より焦点を絞ったドライブ感を実現します。これらの機能を組み合わせることで、サブトルな強調から劇的なEQ効果まで、幅広いトーンシェイピングが可能になります。
スペック面では、入力インピーダンスが1M Ohmと高く設定されており、ギターピックアップの信号を損なわずに入力できます。出力インピーダンスは470 Ohmで、後段のアンプやペダルへの信号伝達も効率的です。消費電流は220mAに抑えられており、一般的なペダルボード用パワーサプライとの相性も良好です。電源は9V DC センターマイナスACアダプター(別売)で供給され、内部で18Vに昇圧されます。
物理的な設計も、ペダルボード統合を前提としています。トップマウント式の入出力端子により、隣接するペダルとの接続がしやすく、堅牢なアルミニウム製筐体は耐久性を確保しています。サイズは高さ112mm、幅62mm、奥行き56mmとコンパクトに収まり、標準的なペダルボードへの統合が容易です。
ロック・ブルース・インディーまで対応する汎用性
Santa Ana Overdrive V2の設計思想は、ジャンルを限定せず、多様なプレイスタイルに対応することにあります。公式説明によれば、タッチセンシティブで高いヘッドルームを備えたこのペダルは、ロック、ブルース、インディー、カントリーといった幅広いジャンルでの使用を想定しています。デュアルボイス機能により、リズムプレイからリードプレイまで、一つのペダルで対応できる柔軟性が実現されているため、セットリストが多様なバンドやセッションミュージシャンにとって特に有用です。
Voice Aの自然でタイトなオーバードライブキャラクターは、ブルースのコードワークやインディーロックのアーティキュレートなリズムプレイに適しており、ピッキングの強弱がダイレクトに音に反映される応答性が、プレイヤーの意図を正確に伝えます。一方のVoice Bは厚みのあるスムーズなトーンで、ロックのリードフレーズやカントリーの表情豊かなソロに向いています。独立した3バンドEQとEQ Placement機能により、各ジャンルの音響特性に合わせた細かいトーンシェイピングが可能です。
ペダルボード統合の観点からも、Santa Ana V2は実用的な設計が施されています。トゥルーバイパスとバッファードバイパスの切り替え機能により、ボード内での信号チェーンの特性に応じて最適なバイパスモードを選択できます。マルチスイッチ対応フットスイッチは、ラッチング(タップ)とモーメンタリー(押し続け)の動作を選択可能で、ライブパフォーマンス中の操作性を高めています。リアパネルのTightスイッチやEQ Placement切り替えなど、細部の調整機能も備えており、セットアップの自由度が高いペダルといえます。
消費電流が220mAに抑えられているため、一般的なペダルボード用パワーサプライとの相性も良好です。トップマウント式の入出力端子と堅牢なアルミニウム製筐体は、ツアーや頻繁なセッション出演を想定した耐久性を備えています。こうした設計の細部にわたる配慮が、Santa Ana V2を中級から上級プレイヤーのペダルボードに組み込みやすい、汎用性の高いオーバードライブペダルとしています。
デモ動画
参考リンク
- Santa Ana V2 Overdrive – Fender Official
- Fender Santa Ana Overdrive V2 – JEUGIA
- Fender's Smart V2 Pedals 2026 Redesign – Gearnews
- Fender Santa Ana Overdrive V2 – Tone Shop Guitars
- Fender Santa Ana Overdrive V2 – Gear4music



