エレキギター

Ibanez LM10-MGR:ルカ・マントヴァネッリの2番目のシグネチャーモデル、HSS配置で多ジャンル対応

Ibanez Premium LM10-MGR
naoto

こんにちは、Music Gear Japan 副編集長のNAOTOです。今回は、Ibanez Premium LM10-MGRをご紹介します。

イタリアの技巧派ギタリスト、ルカ・マントヴァネッリの2番目のシグネチャーモデルとなるこのギターは、2026年モデルとして登場しました。初代LM1がPrestigeラインのSSS配置だったのに対し、LM10はPremiumラインの受注生産モデルとしてHSS配置に変更し、より汎用的な設計へとシフトしています。

Seymour Duncan Fortunaピックアップを搭載し、ロック、フュージョン、ポップ、ジャズなど複数のジャンルに対応する音作りを実現。AZシリーズの確立された演奏性の基盤を継承しながら、ルカの多様なプレイスタイルを支える1本として構想されています。

Sponsored Link

初代LM1からの進化:Premium ラインへの転換と HSS 配置の採用

ルカ・マントヴァネッリのシグネチャーモデルは、2023年に発表された初代LM1から大きく進化しています。初代LM1はIbanezのPrestigeラインに属する日本製モデルで、SSS配置のピックアップを搭載し、ブレンダーコントロール機能を備えた高級志向の設計でした。一方、LM10はPremiumラインの受注生産モデルとして位置づけられ、設計思想そのものが変わっています。

最も顕著な変更点がピックアップ配置です。初代のSSS(シングルコイル3基)から、LM10ではHSS配置(ブリッジがハムバッカー、ミドルとネックがシングルコイル)へと移行しました。この変更は、ルカの演奏活動の広がりを反映しています。ロックやフュージョンではハムバッカーの太い出力が必要になる場面も多く、一方でクリーンなジャズやポップではシングルコイルの繊細さが活きます。HSS配置はこうした多様なジャンルへの対応を可能にする実用的な選択肢なのです。

コントロール周りもシンプルに統一されました。初代LM1のブレンダーコントロールという複雑な機構から、LM10ではボリューム1基、トーン1基、5ウェイピックアップセレクターという基本的な構成に落ち着いています。これは無駄を排除し、ステージでの操作性を高める判断だと考えられます。複数のピックアップポジションを素早く切り替えることで、セッティングの複雑さに頼らず、プレイヤーの意図を直接的に音に反映させられるわけです。

つまりLM10は、初代LM1の「高級感」から「実用性」へのシフトであり、同時にルカの演奏活動の多角化に応えるための進化なのです。Prestigeラインの日本製という限定性から、Premiumラインの受注生産という形式への変更も、より多くのプレイヤーに届けるという戦略的な判断が背景にあるのでしょう。

Seymour Duncan Fortuna と AZ Oval C ネック:技巧的プレイを支える仕様

LM10の中核を成すのが、Seymour Duncan Fortuna HSS ピックアップです。公式の説明によれば、このピックアップセットは中出力設計で、自然なクリーントーンと繊細なニュアンス表現に優れているとされています。ブリッジポジションにはハムバッカー、ミドルとネックポジションにはシングルコイルを配置することで、ジャンルレスな音作りに対応する汎用性を実現しました。トレブルからベースまで全体的なトーンバランスが均等に調整されており、様々なエフェクトペダルとの相性が良い点も、多様なプレイスタイルを求めるルカの要望を反映しています。

ネックはAZ Oval C ローステッドメイプルのワンピース構成です。加熱処理により木材の安定性と耐湿性が向上し、季節変動による反りやねじれを最小限に抑えます。ネック厚は1フレット時20.5mm、12フレット時22.5mmという設計で、握り心地と速弾きの際の安定性を両立させています。指板にはエボニーを採用し、22フレットのジャンボステンレススチールフレットが打ち込まれています。ステンレスフレットは耐食性に優れ、メンテナンスの手間が少ないうえ、クリアで明確なトーンを実現するという利点があります。

スケール長は648mm(25.5インチ)で、ナット幅は42mm(ネット時)です。これはIbanezの標準的なスペックを踏襲しており、AZシリーズで培われた操作性の快適さをそのまま引き継いでいます。

トレモロブリッジはGotoh T1502を搭載しています。弦間隔は10.5mmで、スナップ・ホールド・アームソケット機構により、アーム操作後のチューニング安定性が高められています。テクニカルなプレイでアームを頻繁に使用する場面でも、ピッチの狂いを最小限に抑えられるという実用的な配慮です。

ネックジョイント部分には、IbanezのSuper All Accessネックジョイントが採用されています。背面に8mm段差を設けた独自設計で、ハイフレットへのアクセス性を高めるだけでなく、ボディとネックの接合面積を最適化することで、優れたサスティンとレゾナンスをもたらします。技巧的なプレイを支える演奏性と音響特性の両面で、細部にこだわった設計といえます。

ボディはアルダー材を使用し、バランスの取れた明るいトーンと豊かなレゾナンスを実現しています。チューニングマシンはGotoh MG-T ロッキングマシンヘッドで、チューニング安定性に優れ、素早い弦交換が可能です。ナットはGraph Tech製で、弦の振動を効率よく伝える設計になっています。

こうしたコンポーネント群は、決して奇抜な選択ではなく、AZシリーズで実績のある信頼性の高い組み合わせです。しかし同時に、ルカの要望を細部に反映させた仕様となっており、高い演奏性と多様なジャンルへの対応を両立させる思慮深い設計だといえます。

デモ動画

Luca Mantovanelli – Signature Guitar LM10 | Ibanez(Ibanez Guitars)

参考リンク

Xからの読者コメントをお待ちしています。
ブログ更新の励みになります!
Facebookでのコメントをお待ちしています。
ブログ更新の励みになります!
Sponsored Link
ABOUT ME
Music Gear Japan
Music Gear Japan
編集部
KAN
Music Gear Japanの編集長であり、サイト全体のコンテンツと方向性を監督しています。彼の情熱は、最新の音楽機材からクラシックな楽器まで、幅広い音楽の世界に広がっています。読者に対して深い洞察と実践的なアドバイスを提供することを目指しています。

NAOTO
副編集長のNAOTOは、音楽プロデューサーとしての経験を活かし、Music Gear Japanのコンテンツ制作をリードしています。彼は特にデジタル音楽機材と最新の音楽テクノロジーに精通しており、常に最先端の情報を提供することに力を入れています。読者に対して革新的で有益な情報を届けることです。
Sponsored Link (Multiplex)
記事URLをコピーしました